よひら日記

「よひら」は紫陽花(あじさい)の別名です。公園で見た満開の紫陽花を思い出し何となくつけました。

カント哲学の人間味について(読書感想)


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 こんにちは、よひらです。

 図書館で借りた坂部恵さんという哲学者の本(坂部恵集1 生成するカント像)を1ヶ月半ほどかけてようやく読了しました。

 今回はその本を読んでの感想を共有させて頂きます。

 カントは18世紀のドイツ観念論哲学を完成させた哲学者と学校の教科書で教わりましたが、堅苦しいという先入観が強く、どうもとっつきにくかったのですが、この本を読んで人間臭いカントを知ることが出来きました。

 例えば、カントの人間臭い面を知ることが出来るのは「死霊者の夢」というカントの著作で、当時の有名な霊媒師の本を分析した評論です。(この方は、スェーデンボリという方で、亡くなった方しか知らないことを遺族に教えたりという事例が多数あり、当時の欧州で有名な方だったのです。そのに興味を持ったカントが、彼の著作について書いた論文です。)

 カントは霊媒師の憑依現象そのものは、理性では解明できない、とします。しかし、その憑依現象を理性で割り切れないからと言って否定はしません。むしろ、それによって救われる遺族も多いことから、この現象は「死者となっても魂は残るという我々の希望の表れ」であり、この希望は、生きる実践的な方法として肯定します。(多分、カントが自分自身を納得させているように感じますが)

 この理性だけで世界が割り切れるのではなく、割り切れ無いものも受容する、という懐の深さ、この点にカントの人間味のような面を感じた次第です。

 また、先験的な概念が積み上げ的に作られていくということだけでなく、構想力という飛躍する直観のようなもの(イメージ感覚と理性という両極をつなげる、統合するもの)に積極的な意義を見いだしている、ことも非常に興味深かったです。

 さらに晩年の遺稿では、ニーチェを連想させるアフォリズムを書いていることがわかり、哲学の概念を表現するのに詩的な表現、余白の多い短い文章も使えるのかな、と思いました。

 哲学の専門用語を十分理解できたとは言い難いですが、上記の3点が私の抱いた感想でした。

 わからない本でも読みたくなるというのは多分脳が知的な刺激を受けているのだと思います。この手の本は好きなので、これからも折に触れて書いてみたいと思います。

 以上、よひらでした〜。お読み頂きありがとうございました!